【人事座談会】激動の1年で会社はどう変わった? 自由すぎる会社で人事としてやりたいこと、やらなくちゃならないこと
2022/07/26
採用や人事を担当しているのは、私ともう一人の2名です。もう一人は、人事としては大ベテランなのですが、GEクリエイティブでは私のほうが長い=先輩で…なんか、ややこしいですね(笑)
前置きはこのくらいにしておいて、今日は念願の対談企画! 大ベテランの大先輩・小島さんと、採用や人事について、語り合ってみました。
できないことはない!? どんなことでも変えられる&変われる
保原:
ふだん一緒にお仕事をしているものの、なかなか聞けないこともあり…。今日はとても楽しみにしてました! まずは、小島さんのキャリアについてお聞きしたいです。
小島さん(以下、小島):
そんなにおもしろいものじゃないですよ(笑)。ずっと人事畑なので。新卒でゼネコンに入って最初は営業をしていたのですが、2年目で人事・総務に異動になって、そこからずっと人事の仕事をしてます。
保原:
配置換えで人事になったんですね。そこからずっと続けてきたということは、やっぱり人事が合っていたんですね。
小島:
もともと人と話すのが好きなので、合ってると思います。やってみて知ったのですが、制度を作ったりとか意外と生み出すものが多くて、おもしろいなと。運よく、業務が細分化されておらず、いろいろ任せてもらえたのも楽しめた理由のひとつかもしれないです。会社の中で唯一、人を増やせる仕事だというのもやりがいになっています。
保原:
人事になるべくしてなったという感じなんですね。GEクリエイティブへは、どんな経緯で入社されたんですか?
小島:
IT業界での人事経験はなかったのですが、「素人だけで人事をやってるから、助けてほしい」と口説かれまして。じゃあ、好きにやろう、いろいろ変えようと思っていたのですが…入ってみてびっくり! 素人とは思えないほど、特に新卒採用が上手くいっていたんですよね。
インターンシップではこれでもかというくらい丁寧に教えて、お昼休みは保原さんが一緒にランチにいく。インターンのカリキュラムが終わった後は先輩との座談会でフォローする。さらに、最終日には、開発や営業、管理など、それぞれの仕事のイメージが伝わるように説明する。などなど、人事経験豊富な僕たちが「やりたいな、できたらいいな」と思っていることを、全部やっていたんです。しかも、採用した新卒社員はみんな優秀で、離職率もかなり低い。採用力がかなり高いと感じました。
保原:
当時は無我夢中でやっていたのですが、そう言われると嬉しいです。ところで「採用力」というのは?
小島:
採用というのは、企業力と採用力の掛け算だと僕は思っているんです。企業力は、会社そのもの。極論ですが、給与が相場の2倍だったら黙っていても応募がきますよね。採用力は文字通り、採用活動のこと。GEクリエイティブはこの採用力が強いんですよね。だって、人事と現場がこんなふうに一緒になって採用活動を進められている会社なんて、ほとんどないですから。
ほんとに素人だったんですか? というところを、ぜひとも保原さんにお聞きしたいなと。
保原:
ほんとに素人でしたよ(笑)。実は、事務職で内定をいただいたのですが、急遽、開発に配属されることになったんです。それで最初の1年は先輩からOJTをしてもらいながら、開発をしてました。その後、会社を分社化するときに「事務をやる人がいない」となって、「私、やってもいいですか?」と手を挙げて、開発と事務を兼務させてもらえることになって。
ちなみに、事務職を含めた管理部門を見る部長も開発の経験しかない開発部長だったんですよね。なので、ほんとに何から手をつけていいのかわからない、何の知識もない状態で。会社にかかってきた求人広告とか人材紹介の営業電話から「採用って、そんなふうに進めるんですね」と勉強させてもらってたりしました。これで、素人しかいないというのがわかっていただけたかと思います(笑)。
小島:
素人であれだけのことができるとは…すごすぎますね。それにしても、いきなり開発に配属になって、たいへんじゃなかった?
保原:
たいへんでしたけど、開発の流れや楽しさを知れて、とてもいい経験をさせてもらえたなと思ってます。おかげで、エンジニアさんの気持ちも少しはわかるようになりましたし。
新卒2年目の私でもこんなふうにいろんなことを任せていただける、いい意味でかっちりしていない会社なので、自由に変えられることが多く、とてもおもしろいです。これも、部長や経営陣が柔軟だからですよね。
小島:
それは大きいと思います。それに、とても若い。特に、畠山さん(※社長です)が若いんですよね。ソニー、ミスミなどで数々の実績を残してきて、さらに新しいことに挑戦したいからと、IT業界に飛び込んでくる。なかなか真似できないですよね。
まるで別の会社! 新体制でさらに自由度アップ!
小島:
社長が畠山さんになってから、この1年で大きく変わりましたよね。一つひとつは小さなことかもしれませんが、全体で見ると劇的な変化なんじゃないかと。
保原:
これまでも「変えたいね」みたいに話してたことはありましたが、行動に移してなかったですもんね。今は、理想を話す→行動するのがすごく早いので、ずっと変化し続けてる感じがします。
小島:
わかりやすいところでいうと、たとえば、フレックス制度。もともと会社としてアウトプット重視の文化ですし、一人ひとり集中できる時間は違うので、勤務時間を変えるようにしたほうが効率的だよね、と。
保原:
夜型の人にとっては、朝9時から仕事をするのは効率悪そうですものね。
小島:
逆に、僕みたいに朝のほうが集中できて18時ぴったりに帰りたい場合は、8時から仕事ができるのはありがたい。保育園に子どもを迎えにいくのですが、そのことについても何も言われないですし。
保原:
制度としてあるだけじゃなく、みんなの理解があるのも嬉しいですよね。
本格的に中途採用を始めたり、給与テーブルを変えたのも、この1年の話ですよね。1年でこんなに変えられちゃうってすごいです。
そういえば、プロジェクト管理も変わりましたよね。これまでは「先義後利」(先に義理を通せば利益はあとからついてくる)がモットーだったので、どれだけ時間がかかってもいいものを納品するというスタンスでやっていて。
小島:
そう、とてもいい文化なんですけどね。お客さまに喜んでもらえることが、自分たちの喜びになるって。でも、それだけじゃだめなんですよね。
保原:
あくまでも会社なので、人件費がどれだけかかって、利益がどのくらい出るのかもしっかり考えなくちゃいけない。こういう目線を持ってるエンジニアさんが増えてきた気がします。
小島:
会社全体としても意識してますよね。ちょっと前までは、とにかく案件を取ってきて人(エンジニア)を当てていたので、一人で5〜6件担当しているなんてこともありましたよね。でも今は真逆で、人(エンジニア)に合わせた案件を取ってくる。細かい案件や自社の方向性とマッチしない案件を受けないというのは、かなりの英断だと思います。
保原:
ふつうは会社が大きくなるとルールや制約が増えると思うのですが、どんどん自由に、柔軟になっていく感じですよね。
面接は「選ぶ」場ではなく、「選ばれる」場
小島:
保原さんは、面接では候補者のどこに注目しているんですか?
保原:
新卒の一次面接の場合は、会話のキャッチボールができてるとか、質問の意図に沿った回答ができてるかとか。中途採用のように経験やスキルではなく、人間性を見るようにしてます。
最近だと、コロナ禍でガクチカ(学生時代に力を入れたこと)を答えられない学生さんが増えてる気がしますね。でも、すばらしいガクチカがある=優秀な人ではないですし、ガクチカがないからといってダメなわけではないんですよね。なので、どんなことでもいいので、がんばったところを見て、いいところを引き出すようにしています。
小島:
いい人を採用するには待ってるだけじゃダメということですよね。そのスタンスは僕も同じです。新卒の最終面接でも中途の面接でも、「この人は、ぜったい採用したい!」と思ったら、とにかく口説きまくってますから(笑)。
面接官って、落とす/落とさないを判断している人だと思われているかもしれませんが、どちらかというと、営業に近いですよね。会社を売り込んでるわけですから。候補者が会社を選ぶときのポイント、軸を聞いて、それに合わせて自社の魅力をアピールする、と。
保原:
そう言われてみると、たしかに。でも、たとえば「家族手当がほしい」と言われたとして、うちにはない場合は、どうやって口説くんですか?
小島:
さすがに嘘はつけないので、正直に。「今はできないけど、こういう状況で、あと1年待ってくれれば、こういうことができるよ」という感じで、将来や可能性を見せるようにはしてますね。
保原:
投資家にプレゼンしているみたいな感じですね(笑)。でも、それくらい熱が入っちゃう気持ちはよくわかります!
働く環境と制度を良くする=企業力を強くしたい!
小島:
保原さん自身の目標、やってみたいことも、ぜひ聞きたいなと。
保原:
今、任せていただいている内部統制(経営目標を達成するために必要なルールや仕組みを整備すること)です。新卒採用に携わっている者として、「この会社に入ってよかったな」と感じてほしいなと思っていて。学校を卒業して、一番最初に入る会社ってかなり大事なので、後悔してほしくないんです。入社2年目で事務職になってから少しずつ形にしてきて、あともうひと踏ん張りなので、やりきりたいですね。
小島:
保原さんと被るのですが、やっぱり企業力を強くしていかなくちゃいけないと思うんですよね。もっとみんなの給与を上げたいし、福利厚生もいろんなものを取り入れたい。でもこれは「やりたい」というより、「やらなきゃいけない」ことですね。
実は、これと同じくらい「やらなきゃいけない」と思ってることがもうひとつあるんです。エンジニアがお客さま先で評価されたり、GEクリエイティブを卒業してからも「GE出身のエンジニアはいいよね!」って言われるのが、めちゃくちゃ嬉しくて。そのために研修を充実させたり、仕事をしていて楽しいとか満足できる環境を作らなくちゃと。もう、やりたいこと、やらなきゃいけないことがありすぎて、飽きてる暇なんてないですね(笑)。
保原:
一度にできることには限界がありますが、ひとつずつクリアしていきたいですね! というわけで小島さん、これからもよろしくお願いします!
小島:
こちらこそよろしくお願いします! 今日は保原さんのこれまで知らなかった一面を知れて、とても楽しかったです。ありがとうございました!